1年近くいろいろと考え、打ち合わせをし、数千万円をかけて建てた家。
100点の家ができた!と思っても、実際に生活を始めると「こんなはずじゃなかった」と思う点が一つは出てきてしまいます。
後悔するポイントの中で、最も件数が多く生活への影響が大きいのが「間取り」です。
そんな間取りで後悔する方を減らすため、家づくりのコツを伝授します!
注文住宅の後悔ポイント1位が間取り
注文住宅の入居後に後悔したところがあると答える方は8割にのぼるといわれています。
例えば、
- 「駐車場が狭くて車の買い替え時に候補が限られる」
- 「庭を作ったけど管理が面倒」
- 「学区の境界で遠いほうに通わせる羽目になった」
- 「隣人がトラブルメーカーだった」
- 「収納が足りない」
などです。
このような、住み始めてから分かった家づくりの後悔ポイントで最も多いのが「間取りの失敗」です。
間取りのどんな点に後悔している人が多いのか、どうすれば改善できるのかを知っておくことで、自分の間取りプラン作りに役立てることができます。
先輩方の失敗から学び、家づくりの参考にしていきましょう。
よくある間取りの後悔事例
図面ではイメージしきれなかった部分や、実際に自分たち家族が生活を始めたら想定と違った部分などが後悔ポイントとして現れます。
自分の癖や家族の性格、日々のそれぞれの生活リズムなどを考慮しておかないと、下記に挙げるような後悔事例に当てはまってしまうかもしれません。
リビングの間取りと配置ミス
リビングの間取りと配置に対して後悔する方は多いです。
特に、家具の配置を考えずに設計した結果、実際に生活を始めてから動線が悪くなり、不便に感じるというケースがよく見られます。
ソファやテーブルの大きさと向き、テレビを置く場所と向き、窓の位置と大きさ、リビングスペースとキッチン・ダイニングとの位置関係などが問題となることが多いです。
今作っている間取りで、以下のような場面を想像してみましょう。
- テレビを見ているときに西日が差しこんで見にくくならないか
- ソファとテーブルとテレビ、その他家具を配置して、自由に移動できそうか
- キッチンをはじめとしたほかのスペースへの移動はしやすいか
- 小さなお子様はどこで遊ぶのか
- 小学生のお子様はどこで宿題をするのか
- 親がテレワークをするとき、どこでするのか
この辺りをしっかりと考えて専用スペースを設けたり、逆になくしてしまったりすることで過ごしやすいリビングに近づきます。
キッチンとダイニングの動線の問題
キッチンとダイニングの動線に問題があると、日々の暮らしが非常に不便になります。
家族の生活を支える基盤はキッチンで出来上がるといっても過言ではないので、特にこだわってほしい部分です。
キッチンとダイニングの位置関係は、独立キッチンや対面キッチン、横並びなどいくつかパターンがあります。
広さや生活スタイルによっては、ダイニングとリビングが兼用という家庭もあるでしょう。
- キッチンとカップボードの間の通路の幅をどうするか
- キッチンで作業するのは一人だけか?家族で協力し合うのか?
- キッチンの高さは誰の身長に合わせるか?
- ダイニングの位置は?リビングまで食事を運ぶ?
- キッチンからリビングで遊ぶ子供が見えるか?テレビは見えるか?
などなど、間取り図の上からの図面ではわかりにくい部分も。
実際にそこで暮らす自分たちはどう行動するのかをイメージしながら考えていきましょう。
収納スペース不足
収納スペースの不足も間取りの失敗例として多く聞かれます。
収納が足りなかったというよりも、家族が増えて想定よりも物が増えてしまったというほうがイメージしやすいかもしれません。
逆に、あえて収納を作りすぎないことで物をため込みすぎないように気を付けたり、収納家具を取り入れてお子様が片付けやすい仕組みを考えたりといった工夫をすることもできます。
また、「ファミリークローゼットを作って、子供の服が増えたら自分の服を減らす」ように、総数で管理するのも有用かもしれません。
ファミリークローゼットや土間収納、パントリーなど、自分たちのライフスタイル・ライフステージの変化に収納のほうが適応できるように、共有で使える大きな収納を作っておくのもよいでしょう。
コンセントや電気関係の配置
「必要な場所にコンセントがなく延長コードを多用することになった」
「せっかく家電棚を作ったのに、コンセントの位置が悪く干渉して使えない部分がある」
など、コンセントの失敗もよくあります。
コンセント以外にも、有線LANポートの位置やテレビアンテナ線の位置、照明のスイッチの位置、給湯器のリモコンの位置など、
「かゆいところに手が届かない」といったわずらわしさを感じてしまうことがよくあります。
設計上つけたいところにつけられないケースもありますが、「ここにこれを置く」という家具家電の配置まで想定し、電源類の配置を考えるようにしましょう。
トイレの位置
トイレの位置の後悔で多いのは「リビングから近い」「寝室から遠い」「玄関に近い」です。
リビングから近すぎると、音がリビングにいる人に聞こえてしまい気まずいというのがよくあります。特に来客時は気まずさが増しますよね。
寝室からトイレが遠いのも、「トイレのために起き上がるのが億劫」「階段や廊下の電気をつけて移動するのが面倒」
「子供を連れていくときや冬の寒い夜中は得に大変」といったことが考えられます。
しかし、寝室の隣をトイレにしてしまうと、流した音で起きてしまう可能性もあるので非常に難しいところです。
トイレの位置は玄関のそば、階段の下、部屋と部屋の間、洗面所の隣などいろいろ候補があると思いますが、「これが正解」といえるものがありません。
どの位置であれば一番音などが気にならないかを考えて配置しましょう。
階段の形と場所
階段でよくある後悔は、「回り階段で足を滑らせて落ちた。これは危険だ」「リビング階段にしたら電気代が上がった」などです。
階段の形はストレート、かね折れ(L字)、サーキュラー(カーブ)、コの字など様々です。
配置場所も、玄関ホールや廊下、リビングなど様々です。
階段は配置や形状によってどれだけ部屋を効率よく配置できるかに関わってくるので、間取りづくりで頭を悩ませる方も多いでしょう。
また、階段にデザイン性も求めるとさらに間取りへの影響が大きくなります。
階段の間取りで後悔しないためには、安全性とエアコンの空気が及ぶ範囲を考えることが大切です。
回り部分を踊り場・平場にすると、必要なスペースは増えますが安全性が増します。
リビング階段であっても、階段とリビングの間に扉を設けることでエアコンの効率を下げずに済みます。
工夫の方法はあるので、間取り図面の段階で考えられる懸念点は早めに設計士などに相談しましょう。
家事導線と生活導線
共働きが増え家事も協力しあう家庭が増えました。
また、ファミリークローゼットなど、空間を家族で共有する間取りも増えています。
特に家事効率を重視する家では、「キッチン→パントリー→ランドリースペース→お風呂まで一直線!」
「玄関から土間収納、パントリーを通ってキッチンへ!」「回遊導線で行き来がしやすい!」といった間取りが人気となっています。
共有スペースが多い間取りやすべてがつながった間取りは確かに家事がしやすいです。
お子さまが小さいうちは子育てもしやすいでしょう。
しかし、「お父さんがお風呂に入っていたら、カーテンだけで仕切られているファミリークローゼットに行きにくい」
「お姉ちゃんが髪を乾かしている洗面所を通らないとトイレに行けない」など、つながりすぎている弊害が生じることもあります。
得に不便に感じられやすいのは、ランドリースペース・脱衣所・洗面所・トイレ・お風呂・クローゼットの水回りの配置です。
洗面所や脱衣所を独立させることで、「誰かがお風呂に入っていても洗濯物をしまう作業ができる」
「誰かがお風呂に入っていても洗面所で歯を磨ける」といったように生活動線を分けて動けるようになります。
限られたスペースの中ですべてを配置するのは難しいですが、今の効率の良さだけでなく、家族の成長後の生活しやすさも確保できる間取りを考えることが大切です。
間取り設計のコツ
間取りの後悔事例をご紹介し、「こういうことまで考えなければいけないんだな」ということに気づけたところで、さらに間取りを考えるうえで気を付けたいポイントを3つご紹介します。
家族の生活スタイルに合った配置を考える
間取りを設計する際には、家族の生活スタイルに合った配置を考えることが大切です。
各部屋の使い方や、家族がどのエリアでどのように過ごすかを具体的にイメージすることで、効率的な間取りを作り上げることができます。
例えば、リビングルームは家族が集まる頻度が高い場所ですので、広めに設計し、動線も考慮した配置にするなどです。
自分や家族が家に帰ってきてどう行動するのか?を考えてみましょう。
「子供が大きくなったら、自室に直行せずリビングに寄って欲しいから階段をリビングに設置する」
「異性兄弟ができてもいいように、子供部屋にできる部屋を二つ用意しておきたい。独立した脱衣所を設けておきたい」
といったように、家づくりの際には具体的な使い方を念頭に置いた間取り設計を心がけることが大切です。
将来を見据えた柔軟な間取り設計
歳を取り、子供たちが成長するにつれて部屋の使い道は変わっていきます。
例えとして、2階に夫婦の主寝室と洋室2つを作る場合で考えてみましょう。
子供が一人なら一部屋を子供部屋、もう一部屋は物置部屋や、祖父母が遊びに来た時のゲストルームとして使えます。
子供が二人になった場合、小さいうちは同室で成長してから2部屋に分けることが想定できます。
子供が自立した後は、趣味部屋や書斎、子供が帰省した時のゲストルームとして使えるでしょう。
この洋室2つの大きさを異なる大きさにしておくことで、用途に合わせた使い方がしやすくなります。
このように、10年後20年後にどんなことが起きるのかを想像して間取りを作るのがおすすめです。
また、老後まで暮らし続けるために、リフォームのしやすさなどにも気を配ってみましょう。
プロの意見を取り入れる
自分たちで考え込んでいても答えが出てこなかったり、部屋のパズルがうまくいかなかったり、すべてを投げ出してしまいたくなったりすることがあります。
そうなってしまう前に、ハウスメーカーや工務店の担当営業や設計士、コーディネーターに相談しましょう。
設計士やインテリアコーディネーターのアドバイスを受けることで、自分たちでは気づかない問題点や改善点を発見でき、後悔を減らすことができます。
例えば、収納スペースの配置や動線の確保、窓の位置など、プロの観点から見た実用的なアドバイスは非常に価値があります。
これまで多数の家づくりを手掛けてきたプロに頼ることで間取りの失敗を回避し、理想の暮らしを実現することができます。
後悔しないためのチェックリスト
間取りづくりでよくある後悔事例をもとに、チェックリストを作ることで確認の抜け漏れを防ぐことができます。
また、より多くの事例や実際の家を見に行くことも非常に参考になります。
事前に確認すべき項目のリスト
注文住宅の間取りで後悔しないためには、事前に確認すべき項目をリストアップすることが重要です。
以下に示すポイントを参考にすることで、後悔の少ない家づくりが実現できます。
- 窓(風通し・採光・大きさ・開き方の種類)
- 収納(位置・広さ・入れる予定のもの・扉の有無)
- LDK(形・キッチンの広さとタイプ・コンセントと家具の配置)
- 洋室(広さ・収納の有無・当面の用途)
- 和室(作るか作らないか・部屋にするか小上がりにするか)
- バルコニー(作るか作らないか・大きさ・屋根の有無)
- トイレ(位置・広さ)
- 水回り(広さ・家事動線・コンセントの配置・換気設備の有無)
- 階段(位置・形状・どのくらいの傾斜にするか・踏板のサイズ)
- 造作(ニッチ、備え付けのカウンターや可動棚の位置や大きさ・形状)
家にある部屋や設備のほぼすべてになってしまいましたが、書き出してみると考えなければならないことがたくさんあり、整理しながら進めていくことが大切だとわかりますね。
間取りのシミュレーションとモデルハウス見学の重要性
間取りのシミュレーションを活用することも、後悔しないための効果的な方法です。
ブラウザ上で間取り図を作れるシミュレーションソフトを使ったり、方眼紙に手書きしたりして間取りのイメージを自分で作ってみましょう。
Instagram等の投稿画像を基にイメージを膨らませすぎると、ばらばらのイメージだけが先行してしまいます。
その風景がすべて家の中に納まるように配置することが難しい可能性もあるので、
「こう見せるためにはどう組み合わせればよいか」をイメージしながら部屋パズルをする感覚で取り組んでみてください。
そこで出来上がった間取りイメージを基に打ち合わせをすることで設計士にも希望が伝わりやすくなります。
あとは設計士のほうで「こうしたほうが動線がよくなる」「より多くのものを置ける」「空間を広くとれる」といった改善点を反映し、
建築基準法や家の工法に合わせたサイズ調整をして図面を起こしてくれます。
モデルハウスやオープンハウスで実際に見てみよう
実際に出来上がっている家を見ることも役に立ちます。
展示場やモデルハウスはもちろんですが、一般のお客様が建てた家を見学できる「完成見学会」に行くのがおすすめです。
実際に施主様が自分たちの希望を盛り込んで建てた家なので、その方のライフスタイルや最近の家づくりの傾向・流行りなども反映されており、特に参考になります。
展示場やモデルハウスは「快適に住み続けること」よりも「自社を魅力的に見せること」を目的として建てられた家であることが多いので、
実際に住むことを考えて作られた家を見ることが大切です。
間取りプランのご相談はラフェルム太田へ
注文住宅の間取り設計は家づくりにおいて重要度が高いのに、多くの方が間取りに関する失敗を経験しています。
間取り設計の際には、家族の生活スタイルや将来の変化を見据えた柔軟な設計が重要です。
また、プロの意見を取り入れたり、事前に確認すべき項目のリストを作成したりすることで、失敗を避けることができます。
ラフェルム太田では、お客様一人一人に合った間取りプランをご提案させていただきます。
まずは「あれも欲しいこれも欲しい」の状態からでも大丈夫ですので、お気軽に希望をお聞かせください。
一緒に永く快適に住み続けられる間取りを作り上げましょう。